要
旨
太宰治は日本の昭和文学の代表的作家である。創作生命は短いと言っても、何十冊の作品を遺し、敗戦後の日本社会と若者には強い精神的影響をもたらした。その中で、自伝とも言える『人間失格』は、最後の遺作として、末期の太宰治の思想を体現している。
本稿は『人間失格』の主人公、大庭葉蔵を中心に、彼の性格、行為、心理活動などについての分析を通して、作者の創作背景と結びつけて、作品から反映する太宰治の人間への理解と認識を探ってみた。
葉蔵の幼年期から青年期までの記述から、作品にある「孤独」ということの存
太宰治『人間失格』における-16730字.docx